舞台芸術集団 地下空港 ミュージカル「花園 HANAZONO」 @座・高円寺1

こんばんは。溝口琢矢さん主演ミュージカル「花園」がいよいよ4月13日に初日を迎えました。現時点、昨日の初日公演と本日のマチネ公演に行ってまいりましたが、もう色んな感情や考えが頭の中を駆け巡っていて居ても立ってもいられませんので、例によって感想の壁打ちを始めてしまいます。作品についての解釈云々というよりも、溝口くんのあのシーンがヤバイ!みたいな話しかしませんのでご承知おきください。(記憶に自信ない部分とか、適宜直しつつ更新かけますので、お許しください…。)

(あと相変わらず溝口くんスゴイスゴイ!尊い!みたいな内容に偏ってしまい他の登場人物にほぼ言及できず、反省しております…。)

 

まず客席に入ると演者さんが既にステージに立っており、ウォーミングアップしつつ静かに世界観を作りに入っていました。まさか推し、この中に紛れ込んではないだろうと思って見ていたら

 

えっ いる。

 

ナチュラルに舞台裏から出て来た。普通にウォーミングアップ始めた。えっ 見てていいの…?我々、一回外出た方がいい?

 

今回のように開演前から演者が舞台に立っていて、既に始まっているような作品を目にしたことはあります。にしても、一応事務所所属の推し、出て来ていいんだ…もったいぶって後から登場とか無いんだ…などと普通に動揺してしまいました。たまに思うんですけど、溝口くん本気で自分のことを芸能人とは思ってなさそうですよね。バーイベとかも「ご褒美」くらいに思ってそう。あくまで自分は役者。だからやらない。みたいな考え持ってそう。話がズレましたね。ちなみに2日目の公演前に直立のままぴょんぴょん飛んだりなどしていらしたのですが、普通に30cmくらい飛んでてやっぱ跳躍力半端ねえな!と改めて驚きました。

 

初日の開演前は心配になるくらい何回も水飲むし、ソワソワしてる様子や緊張している表情も見て取れましたが、2日目の今日はわりとリラックスしている印象を受けました。よかった。

溝口くんが刀を持って立ち上がり、彼の歌声が静寂を切って物語が始まります。アー!主演だ!という感動。いや感動が早い。これでは持たない。

 

初見は脚本による思想の圧というか色の強さがすごくて戸惑う瞬間もありましたが、溝口くんはただただ誠実に竜胆を演じるばかりでした。主宰側の色濃さを熱帯雨林の湿気とするならば、溝口くんの存在はミネラルウォーターのような清涼感がありましたね。(どんな例え)

唐突なラップとか突然ブッ込まれる笑いの要素に、ステージと客席の温度差を感じずにはいられませんでしたが、それもまた初日の醍醐味でしょうね。これから一体感が増していくことでしょう。ただいきなりセックスカルトとか言い出すとアングラ感増す〜〜!!!!推し出てない作品だったら「新しいもん見た!楽し〜!」くらいな感想だったと思うんですが初見はちょいと不安でしたね…。でも物語が進むにつれ、史実をうまいことパロって作り込まれた世界であったり切なさが何重にも折り重なった丁寧な舞台であることが判明し、観劇後は鼻すすって劇場を後にしました。純粋におもしろかった!見れて良かったです。ただ見れば見るほど「千と千尋の神隠し」なんだよな〜!竜胆のハク様感すごい。好きです。(結局)

 

で、なんやかんやあって(雑)溝口くん演じる竜胆が登場しますがもう所作が美しいったらない!!!!凛々しく美しい園丁の長…!!

そして連れ去られてやってきた女たちを冷たく見下ろす瞳、たまらんものがありました…皆さん、こんな溝口くんが見たかったですよね!!!合掌!!!

竜胆は園丁に迷い込んだ「私」の歌声を聴き、彼女が他の者たちと同じように連れ去られてやってきた人間ではないことを悟ります。彼女の歌声に対してか、あるいは彼女の存在そのものに対してなのか、何か特別な感情を抱いた様子(これが「懐かしい」なのか「とにかく引っ掛かる」なのかが良くわからない)。新参者たちを迎える宴の席でも、終始彼女を気に掛けていました。怪しい酒を彼女だけ飲まないように気を回し八条院の術にかからないよう守ったり、術にかかっていないことがバレないように誤魔化したりと、何かと彼女を助けます。

この宴の席で悠未さん演じる八条院らによる「墾田永年私財法」なる楽曲が披露されます。真面目に見ていると、曲調の唐突感と「墾田永年私財法」を連呼するまさかの歌詞にお口あんぐりしてしまいますが、2回目は慣れました。連れてこられた女たちはノリノリではしゃいで楽しんでしまいます。私とその侍女である廉もです。ただこの時、私と廉のすぐ後ろに控える竜胆は母上の舞を見ているようでいて、ずっと私のことを気に掛けているのです。たしかに悠未さんは美しいのですがぜひこの時の竜胆さまにも注目して欲しい〜!私が歌い手たちに手を伸ばしたりして大きく動く度に、思わず後ろから止めようとするものの躊躇ってやめる様子とか、グッと来る瞬間数知れず、でした。あと横顔が本当にキレイだし溝口くんまた大人の男性になったなーと思いました。いや舞台に集中してください私。

このシーンに限らずですが、竜胆が私を見つめる瞳に込められた感情が深すぎる…!訝しげで戸惑っているようだけれど、切なく悲しそうでもあり…。懐かしさや愛おしさも含まれているのでしょうか?これまで感じたことのなかったであろう自らの新たな感情に瞳を揺らすたびに、見ているこちらの心臓が止まりそうになりました。それほど美しく、竜胆としての存在感・気迫に満ちていた。

(ちなみに、前半は我々が思っている以上に竜胆は私を見つめているのでこっちがドキドキしてしまいます…。なので推し定点を是非ともオススメします!ただし物語には置いていかれます!)

私と竜胆がようやく二人きりになったシーンで竜胆は「お前は誰なんだ?」と問い詰めます。私の独白で「悲しそうな、深い瞳をしていた」(ニュアンス)と表現されていて、まさにそんな様子だなあと思いました。と同時に溝口くんそういう役絶対合う…!待ってた…!!と心の中で万歳三唱しました。いや舞台に集中して!?(2回目)

 

園丁たちが眠っているときに、八条院が彼らを操り自分の屋敷に集めて踊らせるシーンがあります。眠ったまま操られる園丁たちは操り人形のような動きの振付で踊るわけですが、溝口くん自分の身体の使い方ちゃんとわかってるんだろうな〜と思いました!めちゃくちゃマリオネットダンスが上手いんですよ!もうちょっとで糸見えそうだった!(?)

 

竜胆は私と出会ったことで自分の存在を疑い、母を疑い、苦悩することになるのですが、この思い悩む様子の表現力もさすが溝口くん…!て感じでした。自分の写しのような存在(この辺詳細がまだよくわかっていませんが)を目にして「俺は誰だ?」と怯える様子も、花園に咲く花たちが八条院によって花に変えられてしまった人間たちであることがわかり、それらを切ってきた自分の罪に気づいたときの苦しみも、どれも悲痛です。こちらも胸が痛みます。

 

そして私は今こそ自分を取り戻すのだと説きます。一度は怯む竜胆ですが、「あなたが誰であろうと側にいたい」という彼女の言葉と歌に心を開き、自分になる勇気を得ることになります。まさに「匂い立つ 心のままに」です(この辺は個人の解釈ですごめんなさい)。そして二人の気持ちは通じ合い(やや急な感じはあったけれど)、「竜胆と私」の歌い終わりにキスします。

 

 

 

 

 

 

 

キッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キス…しました………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと前にこのブログで「推しが女の子をお姫様抱っこした!オスだ!キャッキャ」とはしゃいでいた頃が懐かしいですね。初見は驚きのあまりキス中ずっと変顔してしまいましたごめんなさい!!!だって長いんだもん!!

 で、このシーン、センブロ前列下手から見たらキス直前までの竜胆のお顔が非常に良く見えてしまってマジでヤバかったんです…

(ありがとう園丁コース!)

私と竜胆は歌いながら舞台中央に歩み寄ります。徐々に音数が減り、二人の歌声がよく聞こえる状態です。「君の瞳に宿りし祈りは 美しく咲く花々」と歌いながら私を見つめる竜胆の顔が…それはそれはもう優しくて…!愛おしそうに少し瞳を細めて、柔らかく微笑んでいらしてですね…とんでもねえ表情するな…!

で、「触れる両手に脈打つ生命は 僕らの新しい歌」と歌いながらお互いの両手をまた愛おしそうに撫で、脈打つ様子を確かめるように握り、歌い終わると同時にキスするんですよね…ハァ〜〜もう美しい!!!!!!!なんて美しいシーンなの!!!!!!!!キスとともに訪れる静寂につられて、思わず息止めてしまいましたけども!!!!!?

キス後愛おしそうにおでこくっつけ合ってる様子がまた美しくて爆死寸前でした。危ねえ。

「竜胆と私」、陽の光が差し込むような晴れやかな曲で、一番好きです。

 

それ以降のシーンでは、わかりやすく私を庇い守り続けるんですよね。これまでは冷たい態度を取りながらも他人に気づかれないように助けていました。でも私が自分にとって大切な人だと確信してからは、走り去る兄を追おうとする彼女を力強く抱き締めて制したり、花園が沈み、兄のことや、母を失った竜胆を思って泣く彼女を優しく抱き締め慰めたりなど、なんというか、わかりやすくツンがデレに変わっていてたまらなかったという話でした…感想がオタク…もうダメだ…。

 

ラストシーン、長きに渡って自分の頭に咲き続けた花を引き抜いてほしいと、竜胆は私に頼みます。自分が自分になる勇気を少女が与えてくれました。けれど花を引き抜いて自分の記憶が取り戻されると、私が大切な存在であることを忘れてしまいます。「大丈夫、きっと出来るよ」と微笑み、竜胆は花を引き抜かせました。いや切ない……………このシーン思い出すだけで涙出そう…………。花が無くなった後の舞台上の動きは、竜胆の記憶から花園での出来事が消滅していく様子が表されているのかなと思いました。私が握っていた手もほどかれ、竜胆はどんどん遠くへ行ってしまいます。この手がほどかれた瞬間の切なさ、思い出しただけでも身が震えます…。史実はともかく、二人がどこかで再会出来ていたらいいなと思います。また「匂い立つ」の歌が導いてくれることでしょう。

でも正直なところ一番心苦しかったのは、自らが根を絶ったために倒れた八条院を「母さん…」と呼んだ瞬間でしたね…。少女といい八条院といい、竜胆が前に進むためには断ち切り置いていかなければならない愛が多すぎる。あまりにも切ないです。

 

カテコ、初日はどこか呆けてしまったような、中身が空っぽみたいな顔をしていた溝口くん。2日目は後醍醐の話しかしないのすけさんに元気よくツッコんだり、前列のお客さんに対してステージ下に落ちた小道具を「持ち帰っていいですよ」と言ったり、アンケートをすすめたりと、伸び伸びしたいつもの溝口くんで安心しました。

彼にとっての新たな挑戦がいくつもいくつもあったであろうこの作品。見届けられることが幸せですし、自分も頑張らねばとまた背筋が伸びました。表には絶対に出さないけれど、きっと大変なことだらけでたくさん悩んでいたのではないでしょうか。新境地を開拓し、また役者として強くなった彼の今後がやっぱり楽しみです。千秋楽まで怪我なく終えられますように。

 

相変わらず生産性のない文章ですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

 

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