J-WAVE30周年×ゴジゲン10周年企画公演『みみばしる』@本多劇場
こんばんは。本日、松居大吾監督が作・演出を手掛けられた舞台「みみばしる」の夜公演を観劇してきました。
興奮が冷めないうちに、そして率直な感想がまだ頭に残っているうちに、作品の好きだったところを書いておきます。箇条書き。
- ブルペンくらい広いタクシーの後部座席に爆笑した。
- ラジオを聴いている不特定多数の人々を表す(と思しき)演出。ラジオが流れている間、暗がりでラジオに耳を傾ける人、ただそこに佇んでいるような人、色々な人が舞台上に立っているけれど顔が見えず匿名性がある。自分のなかの主役は自分だけれど、今あるこの時間は誰かのものでもあるということにそっと気づかされた瞬間。
- 少しずつたまっていった、それぞれのフラストレーションがついに弾けたシーン。きっかけ(?)が「目玉焼きが好きなので、卵を買いすぎてしまうんです」なのは最高でしたね。
- 自分が信じ、すがり続けてきたものの脆さをここでも突き付けられるとは…。(※好きだったアイドルの話をしています)
- アフトでドレスコーズ志磨さんが仰っていたけど、「正義」は言い換えれば「信仰」「宗教」とも言えてしまう。観劇しながら、また自分のこれまでを思い返しながら、人は何かしら自分の信仰対象をつくって何とか生きて、その対象が崩壊すれば新たな対象をつくりあげてまた立ち直ってどうにか生きる。そういう風にやっていくしかないのかなと思いました。そしてその対象は自分にとって、また他人にとって「ほんとう」なのか「うそ」なのか…。
- ボコられたよっくん、まあまあ長いこと横たわっていたな……。ギター掻き鳴らすひゅーいさんの足元にいつまでも転がっているよっくん……。嗚呼よっくん……。
- 全体的に、その場での歌唱と台詞の音量のバランスが絶妙だった記憶。
- 最後、20人近くのキャストの魂込めた叫びとも言える合唱。あれを真正面から受け止めて、エネルギーにならないわけがない。
- 言葉に頼りきり、嘘か本当かなんて実はどうだっていいオーディエンスの不気味さ。あの狂気、非現実であって欲しいけどとことんリアルだった。
松居さんの作品、それほど多く見てきたわけではないけれど、ぶつけられるだけの熱量をぶつけてあとは観客に委ねる感じがとても好きです。アフトで松居さんご自身と志磨さんがお話されていたように、芝居なのか音楽なのか、劇なのか映画なのか、境界をハッキリさせないけれどとにかく感情を表現するこの感じ。けど、気づくとなんか元気になってるし社会と向き合っていこう、人と関わろうと思える不思議さ。今日もキャストの皆さまにバチンと背中叩かれた気分になりました。明日も仕事頑張ろう。
短いけど以上です。また思い出したら追加します。