ミュージカル「花園 HANAZONO」〜考察編〜

こんにちは。皆さま花園ロスでいらっしゃいますか?私も絶賛ロスってます。竜胆さまに会いたいし出演者の大合唱と熱量を浴びたい…。

まだまだ余韻に浸っていたい私、花園上演期間中にふせったーでアップした感想や気づき、考察などをまとめる作業に着手して気を紛らわせることにいたしました。

大したことは述べていないんですけれども、自分用のまとめとして以下に記載させていただきます。

 

1.あらすじがあの作品に似ている

あらすじ、別作品で例えるなら「千と千尋の神隠し」では!?竜胆(溝口くん)はハクのような位置づけかなと

見れば見るほどハク様でしたね…。雑誌「awesome!」のインタビューで溝口くんがこれに言及されていて、やっぱりか…!となりました。

 

2.結局竜胆は何者だったのか

昨日(4/13)観劇した段階では全くわかっていなかったのですが竜胆=富小路天皇である伏線は至る所に散らばってましたね…(とみのこうじの漢字がわからなかったのですがフォロワーさんのおかげで判明)。

富小路天皇、もとい花園天皇は歌道などの文化に優れた方だったようで、和歌では京極派の主要人物だったとのこと(wiki参照)。京極派は京極為兼に始まる流派で、だから「私」も知っている為兼が伝えた歌を知っていたんですね〜なるほど〜!

 

3.オープニングの話

花園の物語の構成ってあらゆる二人組の関係が交差していると思うんですけど、オープニングでそれが体現されていて鳥肌が立った…1回目、2回目では気づけなかった…

例えば
健御前と女郎花が離ればなれになる様子
女郎花と山吹がすれ違う様子
卯ノ花と撫子がはぐれてしまう様子
などなど。
あらゆる二人組の過去や未来をあの数秒に表現されていて鳥肌モンでした。目が足りなくて全て見切れていないけど、もっといろんな二人組の物語が表されていたのかもしれない。
あっもちろん個人の感想なので、解釈は人それぞれでいいと思います…。
最後に竜胆と八条院が舞台中央に残されて、八条院の腕に竜胆は包み込まれるんですよね。ちょっとうろ覚えなんですけど…。

 

4.入道が兄上であるという伏線

今更ながらの発見:入道と多聞が大岩から酔っ払ったような様子で戻ってきたとき、入道さん歌詠んでんじゃん…喜賀丸さまじゃん…と思った

あと、新しい女たちを連れ去ってきた時「頭痛えな!」「飲みすぎたんじゃねえのか」なんて会話してるけど、あれも「私」の歌をわずかながら聴いて若干記憶が揺さぶられたためなのか…このへんのセリフずっと聞き流してた…なんて丁寧なつくり…

千秋楽後、主宰の伊藤さんが入道が詠んでいた歌は京極為兼のものだと明かしてくださいましたね。

 

5.竜胆が刀を振るった理由

今更ながらの発見:女たちが連れ去られてきたとき、竜胆が刀を振るってケガをさせたの、なぜなのかずっとわかっていなくて。八条院によそ者の匂いを嗅ぎ分けさせないためか…セリフのまんまやんけ…これも聞き流していた…

ていうか「私」守るためにここまでしてくれる竜胆さま…

 

6.繁縷ちゃんのケガ

今更ながらの発見:ケガさせられた繁縷ちゃん、少し後のシーンで下草刈りをしているとき、手当てしてあった左腕の包帯を「なにこれ?」みたいな顔してスルッと取っちゃうんだけど、八条院に操られるとついでに治癒力もアップしちゃうの!??

すでに頭に花が咲いてしまっているので、それ以前に竜胆に斬られた記憶がないのはわかるんだけど、たぶん治ってしまってるんですよね…妖術怖〜〜〜!!

 

7.竜胆と私のキスシーンについて

あと竜胆と私の某シーンですがあれ恋仲としてというよりもソウルメイトとしての行動と考えるとめちゃくちゃ合点がいく

もう男とか女とかの話じゃないんですよ!きっと初めて自分を心から必要としてくれて、側にいたいと言ってくれた「私」とそのぬくもりによって人間に戻ることができた(あるいはそのきっかけを得られた)。確実に竜胆にとって「私」は大切な人であって。それをどうやって伝えたらいいか分からないなりの衝動的かつ自然な行動だったのでは。
観劇2回目くらいまでは竜胆の私を見つめるまなざしに「愛おしさ」が含まれていた気がしたけど、今日は昼も夜も言葉では言い表せない表情をしていた…

ちなみにキスするフリかな?と思った日もありましたがちゃんとしてました!今日確認できました!

 

8.物語冒頭での「私」のセリフについて

オープニングでの私のセリフ、どういう意味なのかずっと考えていたんですけど、個人的には竜胆が自分に戻ることを選択しなかった世界での結末だろうと思っています。パラレルワールド的な。

これは「awesome!」での溝口くんのインタビューを踏まえてなんですけど、花園は「主体性を持ち続けること」を主張した作品だと思っています。社会制度やマジョリティといったいわば出来上がった「システム」の中にあって、どれだけ自らの主体性を持ち続けられるか。現代に生きる我々はそれが出来ているのか?という問題提起だとも捉えています。
花人形のように操られて、流されて生きられたら楽ですよね。既存の「システム」に抗うことは苦しく辛いかもしれないけれど、それを為すべきなのではないか、と訴えかけられている。
でも一般的に、既存の社会制度やマジョリティを疑うのは難しい。なぜなら「既存」や「マジョリティ」=「正」だと捉えがちだから。主体的意図が間違っている可能性があるならば、抗って進もうとは思えなくないですか?だから、今回のあらすじで竜胆はたまたま自分に戻ることを選択したけれど、そうでない場合もあり得たわけで。
竜胆が今回とは違う結末を選び行動していたたら、オープニングのあの場面に繋がったのかな〜などと妄想を繰り広げております…。まあそうだとして、いずれにせよ「私」によって自分を取り戻すきっかけを得るわけですね!強い女だな〜いやはや!

 

9.健御前と女郎花は何者なのか

あとこれ既出でしょうけども、健御前もかつて赤い実を食べたのでは…?‪八条院以仁王を帝に出来なかったという怨念を持つように、健御前にもきっと娘か養子か大切な存在があって、かつて殺されたか何かでその存在を失ったのでは。‬

そして赤い実を食べた。自分の身を削り血を与えることで、自らの分身のような花人形をつくった。それが女郎花。
それっぽい記述ないかな〜と思ってwikiあさったら健御前は後鳥羽上皇の娘・昇子内親王の養育に携わっていたそうで。彼女は17歳で崩御しているようなので、大切に育てた娘のような存在を再びつくりあげて幸せにしてやりたかったのではないかなと。女郎花も17歳っぽいといえばぽい。(?)
ちなみに昇子内親王崩御をもって八条院領は順徳天皇に相続されたそうです。

自分の出自が竜胆の写し(都に置いてた花人形)と似ているから、花園に多聞と入道が運んできたときに「女郎花の匂いがする」と言っていたのかなあ。

とはいえ自分のリサーチ力に自信はないです…。そしてまだまだ深い物語がありそうですが、この辺まで調べたところで頭沸騰してしまったのであとはどなたかに託したい…間違いとかあればご指摘ください…

ふせったーでツイートした内容は以上です。

 

雀の涙ほどの脳みそをフル回転させ、持ち得るすべての感性フル動員で、見る側としても全力で挑んだミュージカル花園。やっぱり終わってしまったのがとても寂しいです。毎日ツイッターで色んな方の感想や考察読むのも楽しかったな…。それほど深い意味まで考えられないタイプの私が言うのもアレですが、解釈は人それぞれ。正解を求めるのも自分なりの解釈で読解するのも自由だと思います。演劇に限らず、芸術は自由ですよね。

 

初日に観劇した当時はまだ見たことのない未知の世界ですし溝口くんのことしか考えていないというのが毎度のことでして。そして作品も登場人物もどこか他人事みたいなんですけど、何回か見に行くうちに登場人物ひとりひとりが愛おしく感じられ、作品そのものが徐々に自分の一部みたいになる感覚がいつもあります。この感覚がすごく好きです。知らなかったことに深く入り込んでいける楽しさというか。溝口くんの出演をきっかけに舞台を見に行くといつもこの過程を経験できるので、本当にありがたいです。好きなもの、愛おしいものが増えるし様々な表現や感情に触れ、自分の感性も豊かになっているような。

溝口くんに出会って、プラスなことしかないんですよね!という結局推しへの愛を叫んで終わりでございます。(笑)

最後までお付き合いいただきありがとうございました!はやくリューン見に行きたいな〜(強欲オタク〜!)