舞台「ジョン万次郎」@EX THEATER ROPPONGI

偉大なる我らが推しこと溝口琢矢さま、記念すべき初主演舞台作「ジョン万次郎」を観劇して参りました。思うことは山ほどあるが、個人的初日(6/16マチネ時点)に観劇して特に印象深かったポイント4点に絞って感想を述べさせてほしい。

 

まず1点目。

二幕、万次郎と勝海舟が出会い、万次郎の「頑張りまぁす!!!」に謎の指導が入るシーン。

 

 

いや何回やらせんねん!!!!

 

 

 

と突っ込まざるを得ないほどしつこくやり直しを受ける万次郎。完全にいいオモチャである。そのうち「舞台の端から端まで走って助走つけてから頑張りまぁす!だ!」というこれまた謎指示が出されるがこれにも万次郎は忠実である。

 

あの走りづらそうな足袋(?)で、万次郎、もとい溝口くんはガチ全力ダッシュ

 

あまりの懸命さと指導への忠実さと、転ばないか心配なのとで万次郎への感情なのか溝口くんへの感情なのかわけがわからなくなったが、とにかくいじらしさに全私が泣いた。

 

次に2点目。

お鉄を嫁にもらい、仲睦まじい家庭を築いた万次郎。しかしお鉄は万次郎を残してあの世へ旅立ってしまう。舞台上では、お鉄は倒れて万次郎にもたれかかり、二度と目を覚まさないことでこの事実を演出している。暗転すると、溝口くんがお鉄ちゃんこと山下聖菜ちゃんをお姫様抱っこしてはけて行くのだ。

 

 

 

 

 

もう一度言います。

お姫様抱っこをしてはけて行くのです。

 

 

溝口くんのおたくの皆さまからすれば、「俺たちの推し、男性陣に囲まれるとひときわ華奢だし細いし細いし女の子みたいな可憐さだしいやあホント尊いよね、存在が罪!(©︎おっさんずラブ)」っていう感じのはずだが、

 

 

女の子を!!抱き抱えられるんだ!!!

溝口くん!!男の子だった!!!!!!!!

 

 

ドリフェスのときのアイドルモードとはまた別の、生物学的なオスみを感じた私、これが自宅でDVDを見ているだけならば壁に頭打ちつけてた。それくらい人知れず興奮したのであった。

 

 

続いて3点目。

物語は終盤、官軍が江戸へ攻め込む計画を止めに入る勝海舟。一向に聞き入れない薩摩藩士たちのもとへ、後から駆け込んで来たのは万次郎であった。

 

万次郎は、自分のやってきたことは間違っていたのだろうかと自問自答しながらも、これまで出会ってきた人々の思いを、一切無駄にすることなくぶつけていく。

 

これほど長い台詞を一人で言い切る人、正直初めて見ました。

 

単純に私自身の観劇経験の浅さゆえとも言えるが、いやしかし、彼は本当に凄かった。こんな陳腐な言葉の羅列で称賛することも申し訳なくなるくらい。

 

 

溝口琢矢くんは、完全にジョン万次郎だった。万次郎自身の半生を振り返りながら、出会った人々が彼に与えてくれたもの、彼が成し遂げたかったことを必死で訴え壇上に立つあの青年は、確実に万次郎だった。彼の切実な思いも、大切な人たちを失ってきた悲しみも、叫び声も涙も、万次郎のものだった。

 

 

気づくと私は、万次郎の気持ちに感情移入したのと、溝口くんの演技力に感動したのとで、涙が止まらなくなってしまった。終演後も涙を垂れ流しながらEXシアターを飛び出しました…

 

 

最後に4点目。

舞台の幕が開けてまず思ったこと。

 

「ジョン万次郎、まんま溝口琢矢じゃねーか!!!!!!!」

 

とにかくおしゃべり。よくしゃべる。何に対しても好奇心旺盛で、様々なことを自分ゴトとして捉え、学びとろうとする。共演者の方々もインタビューなどで仰っているが、万次郎と溝口くんのピュアさや素直さ、学べること全て吸収しようとする貪欲さ、誠実さはとてもよくリンクしていると感じた。この舞台、溝口くんに万次郎を当て書きしたのでは???

 

あと溝口くんのビジュアルも大いに活かされていたと感じる。ほかの男性陣と比較してとりわけ小さく細い溝口くん。メリケンの父ことホイットフィールド船長の腕の中に小さく収まっていて、息子感がすごかった。謙虚で横暴さが一切ない万次郎は、メリケン帰りということで城に呼ばれたり役人に会ったり武士になったりと普通なら経験できないシチュエーションに終始ドギマギしている。それを表現するのに、溝口くんの小ささ、細さはぴったりだった。恐縮して小さくなっている万次郎。うん、適役。

 

 

 

溝口琢矢さん、なんて素晴らしい役者さんなんだろう。贔屓目と言われてもなんでもいい。演劇や芝居に関してど素人なりの意見ではあるが、溝口くん自身の演技力の高さに加えて、彼のお芝居に対する誠実な姿勢が、彼をより魅力的に感じさせるのだと思う。人としての素晴らしさが、役者としての彼をより魅力的に仕上げているように感じられる。

 

今年に入って見届けてきた、溝口くんが演じた数々のキャラクター。どれも同じ人が演じていたとは思えないくらい、それぞれが私の(もちろん私だけでなく、きっと舞台を見てきた多くの人々の)心の中で生き続けている。

 

アモン王子も、マモルくんも、万次郎も、そしてこれから彼が演じるあらゆるキャラクターも。一人一人が愛おしい存在として、私の中で生き続けるのだろう。

 

 

溝口くん、もっと大きな舞台で、というか舞台に限らず、色々な場で活躍して欲しいと思った。才能ある役者の方々と、たくさん共演を重ねて、たくさん場数を踏んで、もっともっと素敵な役者さんになって欲しい。もっと色んな活躍を見せてほしい。欲深い私はそう考えてしまった。


また溝口くんのおかげで幸せな気持ちになれた。やはり推しにはいくら感謝しても足りない。